No.708新着 観光列車「SL銀河」の製作費、機関車C58 239の復元と保守施設の建設などを含めて総額20億円(2014年・東洋経済オンラインの報道)
JR東日本の観光列車「SL銀河」の製作費は、機関車の復元費に保守施設の建設費などを含め総額20億円と、東洋経済オンライン(2014年3月7日)が伝えた。
価格と出典
【価格】
・製作費は総額20億円。記事は「機関車復元に要した費用から保守施設の建設費などを含め」た額と説明している(東洋経済オンライン「鉄道最前線」・大坂直樹記者・2014年3月7日)
・機関車だけの復元費がいくらかは、確かめた範囲の出典に書かれていなかった
・客車の改造費が20億円に含まれるのかどうかも、確かめきれなかった(記事の続きは有料会員向けで、無料で読める範囲に内訳は無かった)
・20億円は報道の数字で、JR東日本の公式発表では確かめられていない
【内訳・条件】
・使った機関車はC58形239号機。岩手県営運動公園内の交通公園で静態保存(動かさずに展示)されていた(JREメディア)
・2011年の東日本大震災の後、東北へ観光客を呼び戻すために復元が決まった。工事は大宮総合車両センターで約1年かけ、2013年12月に復元が完了して火入れ式が行われた(JREメディア)
・2014年4月から花巻駅〜釜石駅間で「SL銀河」として運行を始め、2023年6月10日・11日をもって運行を終えた(JREメディア)
・このサイトでの計算:運行を始めた2014年から終えた2023年まで、およそ9年間走った
【注意】
・20億円は2014年の報道の額で、その後の修繕・検査の費用は含まれない
・「復元費」と「製作費」は範囲が違う。20億円には保守施設の建設費などが入っているため、機関車の復元だけの値段としては読めない
・他の蒸気機関車の復活と単純に比べられない。同じ報道の範囲で比べられる例として、大井川鐵道(静岡県)が2022年に始めたC56形135号機の動態化は、修繕などを含む概算が3億円とされた(下の【なぜこの価格なのか(考察)】を参照)。ただし、これは見込みの額で、実際にかかった額ではない
・東武鉄道のC11形123号機の復元は、確かめた記事に費用の記載が無かった
・東武鉄道が借り受けて走らせたC11形、JR西日本のC57形1号機(2026年10月3日に6年ぶりに運転再開)も、費用は確かめきれなかった
【なぜこの価格なのか(考察)】
出典の事実:東洋経済オンラインは、20億円に機関車の復元費だけでなく保守施設の建設費などが入っていると説明している。JREメディアによれば、復元は大宮総合車両センターで約1年かけて行われた。大井川鐵道のC56形135号機は、ボイラーや足回りの修繕・整備などを含めて概算3億円と想定され、そのうち1億円をクラウドファンディングで集める目標だった(Business Insider Japan・2022年9月20日、神戸新聞・2022年11月29日)。鈴木肇社長の発言として、SLは新造できず、何もしなければ消えていく、整備技術を継承したいという趣旨が同記事に載っている。
推測:蒸気機関車は今の工場で新しく造れないため、古い機関車を直す作業にも、部品づくりや専門の技能を持つ人の手間が重なり、費用がかさむと考えられる。SL銀河の20億円が高く見えるのは、機関車を直すだけでなく、点検・整備のための施設までそろえた総額だったためと考えられる。
【どんな人が利用しているか(考察)】
出典の事実:SL銀河は、JREメディアによれば、東日本大震災の後に東北へ観光客を呼び戻すために復元されたもので、花巻〜釜石間で運行された。乗客の内訳は確かめきれなかった。
推測:車両を買ったのは鉄道会社で、乗るのは観光客と考えられる。20億円を乗客1人ずつの運賃で回収するというより、地域に人を呼ぶ事業として使われたと考えられる。
【提供元】
・JR東日本 — 「SL銀河」を運行した鉄道会社(本社の所在地は今回確かめきれず) — https://media.jreast.co.jp/articles/1757(公式メディアの記事)
・大井川鐵道 — C56形135号機の動態化を進めた鉄道会社(静岡県・公式サイトは今回開いておらず確かめきれず)
【出典】
・SL銀河の製作費の記事(東洋経済オンライン「鉄道最前線」・大坂直樹・2014年3月7日)https://toyokeizai.net/articles/-/32377
・C58 239とSL銀河の経緯(JREメディア・JR東日本・更新日2024年11月20日)https://media.jreast.co.jp/articles/1757
・昭和のSLよ、甦れ。大井川鐵道がC56形の動態保存で1億円クラファン(Business Insider Japan・吉川慧・2022年9月20日)https://www.businessinsider.jp/article/259519/
・大井川鐵道7両目のSLに「C56 135」復元目指し一般から1億円調達へ(乗りものニュース・2022年9月21日)https://trafficnews.jp/post/122021
・大井川鐵道のC56形復元のクラウドファンディング(神戸新聞・2022年11月29日)https://www.kobe-np.co.jp/news/hokuban/202211/0015848056.shtml
・復元中のSL「C11形123号機」に番号決定(乗りものニュース・2020年11月6日・費用の記載は無し)https://trafficnews.jp/post/101603
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