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富裕層ってどんな人?

調べた日:2026年10月5日。数字はすべて下の「出典」の資料で確かめたものです。

このサイトの特集「富裕層向け」には、豪華客船のスイートや名門ゴルフ場の会員権が並びます。 では、それを買う富裕層とは、どんな人たちなのでしょうか。 何人いて、どれくらい稼ぎ、何で財産を持っているのかを、公的な統計と調査会社の資料で調べました。

富裕層はどう数えるのか

日本でよく使われる物差しは、野村総合研究所(NRI)の推計です。 世帯ごとに、預貯金、株式、債券、投資信託、一時払いの保険などを合計し、借金を引いた純金融資産で分けます。 自宅や土地などの不動産は入りません。

階層純金融資産世帯数資産の総額
超富裕層5億円以上11.8万世帯135兆円
富裕層1億円以上5億円未満153.5万世帯334兆円
準富裕層5,000万円以上1億円未満403.9万世帯333兆円
アッパーマス層3,000万円以上5,000万円未満576.5万世帯282兆円
マス層3,000万円未満4,424.7万世帯711兆円

2023年の推計(NRI)

富裕層と超富裕層を合わせると約165万世帯で、全世帯の2〜3%にあたります。 2021年の約149万世帯から11.3%増え、2005年に推計を始めてから最も多くなりました。 NRI は増えた理由として、株価の上昇、円安による外貨建て資産の値上がり、相続の増加を挙げています。

数は少ない超富裕層ですが、資産の偏りは大きく、富裕層以上の世帯数の約7%で、資産額の約29%を持っています。

年収と資産の関係

資産1億円以上の世帯が約165万あるからといって、年に1億円を稼ぐ人が同じだけいるわけではありません。 国税庁の統計では、2024年分の所得が1億円を超えた申告者は約3万2,000人でした。 確定申告をして税を納めた人のうち0.6%です。

しかも、その多くは給料で稼いでいるのではありません。 所得1億円超の約3万2,000人のうち、給与が主な人は約8,000人です。 いちばん多い約2万2,000人は、事業、不動産、給与のどれも主ではない人で、株の売却益や配当で所得を得ている人がここに入ります。

反対に、年収はふつうでも資産が1億円に届く人もいます。 NRI は、40代後半から50代の会社員が、従業員持株会や確定拠出年金、NISA で運用するうちに資産1億円を超えた例を「いつの間にか富裕層」と呼び、富裕層以上の世帯の1〜2割と見ています。 NRI の調査では、金融資産5,000万円以上の会社員や公務員の世帯のうち、4割強が世帯年収700万円未満でした。

お金の出どころと職業

NRI は、昔からの富裕層を、非上場企業のオーナー、地主、地方の名家などの「資産を持つ人」と、大企業の役員のような「高い収入を得る人」に分けています。 そこに近年は、高年収の共働き夫婦、退職した人や相続人、株式の上場で資産を得た人などが加わりました。 医師や弁護士といった職業ごとの割合を示す公的な資料は、見つかりませんでした。

相続の影響も大きくなっています。 課税価格3億円以上の財産を遺した人は、2017年の8,039人から2022年の1万98人に増えました。 相続される財産の中身も、土地から現金、預貯金、株などへ移っています。

世界の大富豪を見ると、自分で財産を築いた人が多数派です。 UBS の調べでは、資産10億ドル以上のビリオネアは世界に2,919人いて、そのうち2,059人が自力で築いた人、860人が親から継いだ人でした。 ただし2025年に新しくビリオネアになった人の資産額では、相続による分が前年より3分の1以上増えています。

どの国に何人いるのか

世界の百万長者(純資産100万ドル以上)は、UBS の推計で約5,750万人です。 この数字には、金融資産だけでなく不動産も含みます。

国や地域百万ドル長者
米国2,362.7万人
中国本土530.5万人
日本290.2万人
ドイツ264.8万人
英国242.8万人
フランス238.8万人
オーストラリア163.4万人
韓国131.7万人

2025年末(UBS Global Wealth Report 2026)

日本は世界で3番目に多い国です。 ただしドルで数えるため、円安が続くと日本の人数は伸びにくくなります。 UBS は、日本の純資産500万〜1億ドルの層が2000年以降ほぼ横ばいか減っていると指摘し、その理由の一つに円安を挙げています。

さらに上の超富裕層(純資産3,000万ドル以上)は、Knight Frank の推計で世界に約71万人です。 日本は1万8,914人で、米国、中国本土、ドイツ、英国、フランス、インドに次ぐ7番目でした。 同じ資料では、日本のビリオネアは43人で、2031年には71人に増えると予測しています。

資料によって「富裕層」の物差しは違います。NRI は世帯ごとの純金融資産(円)、UBS は1人ごとの純資産(不動産を含む、ドル建て)、Capgemini は自宅を除く投資できる資産(ドル)で数えます。人数を資料どうしで比べることはできません。

資産の中身

日本の富裕層は、不動産の割合が高いのが特徴です。 NRI が総務省の2019年の調査をもとに計算したところ、純資産で上位1%の世帯(2億2,431万円以上)の資産は、77%が住宅と土地、23%が金融資産でした。

世界の富裕層は、もっと金融資産に分けて持っています。 Capgemini が2026年1月に調べた、投資できる資産100万ドル以上の人の資産の分け方(自宅を除く)は次のとおりです。

資産割合
株式25%
現金や預金24%
債券20%
不動産(自宅以外)19%
未公開株、ヘッジファンド、暗号資産など12%

Capgemini World Wealth Report 2026。日本の上位1%は自宅を含む数字なので、そのまま比べることはできません。

年齢と男女

日本の富裕層全体の年齢や男女の割合を示す公的な統計は、見つかりませんでした。 手がかりになるのは一部の調査だけです。 NRI の調査では「いつの間にか富裕層」の約85%が40代以上で、約半数は大都市以外に住んでいました。 世界のビリオネアでは、女性は2,919人中374人です。

お金を何に使っているか

インテージが2025年9月に行ったネット調査では、1か月の支出は、準富裕層が35.8万円、富裕層が50.0万円、超富裕層が87.6万円でした。 超富裕層は、準富裕層に比べて外食や会食に3.4倍、ブランド品や宝飾品に17.1倍のお金をかけています。 超富裕層の37.6%は、この1年に予算100万円以上の海外旅行に出かけていました。

デロイト トーマツの調査(世帯年収2,000万円以上の人が対象)でも、富裕層は旅行や外食などの体験にお金を使いたいと答える割合が、一般の人より高くなっています。 「今後、支出を増やしたいものはない」と答えた人は、一般の人では約半数でしたが、富裕層では3割でした。

富裕層が買う不動産では、東京の値上がりが目立ちます。 Knight Frank の2026年の報告では、最高級住宅の値上がり率で、東京が58.5%と世界100都市の1位でした。

富裕層が実際にどんな品物やサービスにお金を使っているかは、富裕層向けの記事にまとめています。

出典